FIG.01 — MOLDING OPERATION / 砂型の造型作業
CASTING BASICS
型をつくり、金属を流し、
形を生み出す。
手込み砂型鋳造をはじめ、製品づくりに生かされる各工法の特徴をご紹介します。
FIG.01 — MOLDING OPERATIONWHAT IS CASTING
鋳物とは
鋳物は、溶かした金属を「型」に流し込み、冷えて固まった後に取り出すものづくりです。削り出しでは難しい中空部や複雑な形状も、一体で形にできることが大きな特長です。
材料、型、溶湯の温度、流し方、冷やし方。ひとつでも条件が変われば、仕上がりは変わります。だからこそ鋳造は、設備だけでなく、現場で積み重ねた観察と判断がものをいう技術です。
FIG.02 — 注湯 / POURINGOUR CORE
手込み砂型鋳造。
一品ごとに、工程をつなぐ。
砂を固めてつくる型に、溶かした金属を流し込む工法です。型は基本的に製品ごとにつくるため、多品種・小ロットの小型・中型部品を得意とし、製品・仕様・生産条件によっては量産にも対応した実績があります。形状・材質・造型条件に応じた薄肉形状や、形状の自由度が求められる製品に向いています。
FIG.04 — 造型作業
工程の要点型は製品ごとにつくるため、条件の見極めが仕上がりを決めます。
- POINT 01
- 砂の状態・締め方・抜き勾配
- POINT 02
- 中子で複雑な内部形状に対応
- POINT 03
- 型づくりから注湯まで条件を管理
PROCESS
木型から検査まで、
ひとつの型を仕上げる。
手込み砂型鋳造は、製品ごとに型をつくるところから始まります。砂の状態、溶湯の温度、流し方。工程ごとに条件を見極めながら、次の工程へ品質をつないでいきます。
01
木型製作
製品の形に合わせて木型をつくります。抜き勾配、肉厚、冷えて縮む分を見込んで形を決めます。木型製作の設備は自社で保有しています。
02
造型
木型のまわりに砂を込め、突き固めて型をつくります。砂の水分や締め具合が仕上がりを左右するため、状態を見ながら調整します。
03
中子製作・セット
中空部をつくるための中子を成形し、型に組み込みます。CO2中子設備を備えており、内部に経路を持つ複雑な形状にも対応します。
04
型合わせ
上下の型を合わせ、ずれがないか確認します。ここでの精度が、そのまま製品の合わせ面に出ます。
05
溶解
ガス溶解炉で金属を溶かします。電子式記録計で溶湯の温度を常時記録し、ガスバブリング装置で溶湯中のガスを除去して、巣の発生を抑えます。
06
注湯
溶けた金属を型に流し込みます。温度と流す速度を見ながら、湯が回りきるように注ぎます。
07
型ばらし・仕上げ
冷えて固まった製品を型から取り出し、ショットブラストで砂を落とします。湯口やバリを取り除き、必要に応じて機械加工を行います。
08
検査
三次元測定機と寸法検査設備で寸法を確認します。用途に応じて、真空ピンホールテスターや圧力検査装置で製品内部の品質を確認します。材質の成分分析は、外部機関に委託しています。
WHEN IT FITS
砂型が向いているもの。
すべての製品に砂型が最適というわけではありません。次のような条件のとき、砂型の利点が出ます。
- 試作・少量から条件付き量産
- 木型と砂で型をつくるため、金型に比べて型の費用を大幅に抑えられます。1個からの試作や100個以下の少量品・多品種に加え、製品・仕様・生産条件によっては月1万個程度の量産実績もあります。
- 小型・中型、薄肉
- 小型・中型の鋳物を得意とし、形状・材質・造型条件に応じて薄肉形状にも対応します。型の大きさには設備・造型上の制約があります。
- 複雑な内部形状
- 中子を組み合わせることで、中空部や入り組んだ経路を一体で鋳造できます。
- 材質を選びたい
- アルミニウム合金鋳物・銅合金鋳物・亜鉛合金鋳物に対応します。用途から対応材質をご提案します。
- 短納期
- 金型の製作を待つ必要がないため、型の準備から製品までの日数を短くできます。
※ 精度や表面の滑らかさを最優先される場合、後工程の機械加工を組み合わせてご提案します。
HISTORY OF CASTING
鋳物は、人のものづくりとともに。
鋳物は、人のものづくりとともに歩んできました。金属を溶かし、型に流して形をつくるという原理は、古代から現代の産業まで受け継がれています。
4,000年頃MESOPOTAMIAメソポタミアで始まった鋳物づくり銅を溶かして型に流し、器物をつくったことが鋳物の始まりの一つとされています。
数百年頃〜JAPAN日本へ伝わり、生活と信仰を支える技術へ日本では銅鐸・銅鏡・刀剣、奈良時代には仏像や梵鐘などに鋳造技術が活用されました。
半ば〜INDUSTRY産業革命が、鋳物を機械文明の基盤に工場制工業の発展とともに、機械や輸送機器を支える部品として鋳物の役割が大きく広がりました。
歴史の記述は、公益社団法人日本鋳造工学会東海支部の公開資料をもとに再編集しています。